甘味料「サッカリン」、かえってがん細胞の成長を遅くした、発がん性が言われたが

甘味料のサッカリンは発がん性があるという見方がされたことがあったが、がん細胞に加えると成長が遅くなると発見され、抗がん剤を強化する薬につながる可能性が浮上している。米国フロリダ大学医学部を含む研究グループが、バイオ・オーガニック&メディシナル・ケミストリー2015年2月号と第249回米国化学会(ACS)会議で報告した。

甘味料のサッカリンは発がん性があるという見方がされたことがあったが、がん細胞に加えると成長が遅くなると発見され、抗がん剤を強化する薬につながる可能性が浮上している。米国フロリダ大学医学部を含む研究グループが、バイオ・オーガニック&メディシナル・ケミストリー2015年2月号と第249回米国化学会(ACS)会議で報告した。

米国はサッカリンの安全宣言

サッカリンは何十年間も発がん性と思われてきた。米国立がん研究所によると、1970年代の諸研究により実験室のネズミでサッカリンと膀胱がんの関連性が指摘され、議会はさらに研究するよう命じると共に、1977年にはFDA(米国食品医薬品局)が人工甘味料としての使用を禁止した。その後の研究で、ネズミでのがん発生は人間に当てはまらないと判明。1991年にFDAはサッカリンは安全だと宣言した。しかし、人は悪いことの方をよく覚えているもので、発がん性という誤解は根強いと研究グループは指摘する。研究グループは今回、「スウィートン・ロー(Sweet’N Low)」という名前で市販されているサッカリンを使った実験によると、がん細胞の成長を遅らせることができると発見した。

健康な組織には影響しない

この作用は、サッカリンが悪性のがんで見られる「炭酸脱水酵素9」という酵素と結合するからと判明した。この酵素はがん細胞の水素イオン濃度(pH)を調節する作用がある。がん細胞が成長したり転移するために必要なこの作用を妨げるという効果がある。サッカリンは炭酸脱水酵素9を選んで結び付く。一方で、この酵素は体内のほかのほとんどの細胞ではほとんど存在しないので、健康な組織には影響がないと見られている。サッカリンの効果に基づく薬が開発されれば、がん細胞の成長を遅くすることで他の抗がん剤や放射線治療の効果を増強できる可能性がある。

文献情報

Saccharin shows promise as cancer inhibitor, researchers find. University of Florida News. 2015 Mar 24.

http://news.ufl.edu/archive/2015/03/saccharin-shows-promise-as-cancer-inhibitor-researchers-find.html

Mahon BP et al. Saccharin: a lead compound for structure-based drug design of carbonic anhydrase IX inhibitors. Bioorg Med Chem. 2015 Feb;23:849-54.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25614109

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