どうやら「デブ菌」が現実に存在するらしい、肥満者の糞便移植で受けた人が急速に肥満に

言葉は悪いが、「デブ菌」という人を太らせる細菌が実在する可能性が濃くなっている。肥満の人の腸から取った腸内細菌を移植された人が、急激に太るという現象が判明したからだ。

言葉は悪いが、「デブ菌」という人を太らせる細菌が実在する可能性が濃くなっている。肥満の人の腸から取った腸内細菌を移植された人が、急激に太るという現象が判明したからだ。

注目される糞便移植で思わぬ事例

米国ロードアイランドのニューポート病院とマサチューセッツ州のマサチューセッツ総合病院を中心とする研究グループからそれぞれ、感染症分野の国際誌であるオープン・フォーラム・インフェクシャス・ディジーズ誌オンライン版で、2015年2月1日に報告した。クロストリジウム・ディフィシルという細菌の感染症は、抗菌薬の使用により腸内細菌のバランスが崩れた結果、下痢を起こしたり、毒素を産生したりする病気だ。重症の場合には命に関わる。最近、この感染症の治療として、にわかには信じがたいが、健康な人から糞便の抽出物を腸内に移植する方法が注目されている。健全な細菌群を回復させるのが目的となる。今回、この治療で思わぬ発見となったのは、肥満のボランティアの糞便を移植された人が、短期間で急に太ってしまったというものだ。

正常体重だったのに急速に15kg重く

今回マサチューセッツ州の研究グループが報告した女性は、糞便の腸内への注入を受けてクロストリジウム・ディフィシル感染症の治療に無事に成功した。治療のための糞便を提供したのは、肥満である以外は健康状態が良好な移植を受けた人の10代の娘だった。この治療以前、治療を受けた本人の体重は約62kgで、BMIは26だった。それまでの生涯を通じて正常体重で安定していた。ところが移植の16カ月後、女性の体重は一挙に約77kgまで増えて、BMIが33まで増加したのだ。移植3年後には減量の努力や運動にもかかわらず体重が約77kg、BMIは34.5で定着してしまい、肥満になってしまった。一方で、別のワシントン大学を中心とした研究グループが行ったマウスの実験からは同様の結果が得られていた。肥満マウスから糞便移植を受けた正常体重マウスが脂肪量が著しく増えた。

糞便ドナーは肥満者を除外すべき

以上の2つの研究から、糞便移植のドナーとしては、肥満者を除外すべきだとういうことが示唆された。最近、1日中食べ続けると肥満を促す菌が腸を占拠するという報告もある(1日中食べると「デブ菌」が腸を支配する、米大学が報告)。腸内細菌と代謝、そして健康との関連からも見逃せない。●訂正(2015/2/19)・動物実験の実施者をロードアイランドの研究グループと示しましたが、正しくは過去の報告の引用です。お詫びして訂正いたします。

文献情報

Rapid and Unexpected Weight Gain After Fecal Transplant

Infectious Diseases Society of America; IDSA

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