狩猟採集民の腸内環境は、現代人が失った「微生物の多様性」を維持している

ネイチャー誌の特集増刊から引き続き新しい研究を紹介していく(「腸内フローラ」ネイチャー誌が特集増刊、慶応大の本田賢也氏らの17の菌治療が実用目指すを参照)。現代人では腸内細菌の多様性が乏しくなる傾向があると分かってきている。腸内細菌は病気にも関係すると判明しつつあり、新たな問題として取りざたされる可能性もある。

ネイチャー誌の特集増刊から引き続き新しい研究を紹介していく(「腸内フローラ」ネイチャー誌が特集増刊、慶応大の本田賢也氏らの17の菌治療が実用目指すを参照)。現代人では腸内細菌の多様性が乏しくなる傾向があると分かってきている。腸内細菌は病気にも関係すると判明しつつあり、新たな問題として取りざたされる可能性もある。

男女で異なる腸内細菌

ドイツのライプチヒに本拠を置くマックス・プランク進化人類学研究所の研究者ステファニー・シュノール氏が報告しているのは、腸内細菌の民族による変化だ。腸内細菌の集まりである「ミクロバイオーム」について、アフリカのタンザニアで先史時代からの生活様式を維持する狩猟採集民ハッザ(Hadza)を対象とした研究を進めている。ハッザの腸内細菌叢の内訳を見ると、男女でも異なっているという。ハッザの社会では男女で労働を分担しているため、女性が植物を採集して食べる場合が多いためだ。女性は食物繊維の消化を助ける細菌をより多く持つようになる。女性にとっては子どもを生むためにも腸内細菌の栄養を増やす働きが大切になっていると説明をしている。研究グループでは、ハッザとイタリアの現代人との間で腸内細菌の多様性を比較もしている。腸内細菌の多様性は、ハッザの方が幅広くなっている。

現代人は乏しく

腸内細菌の多様性が乏しくなる傾向については、Medエッジでも記事としてお送りしている(動物脂肪で腸内細菌が偏る、世界のサルとヒトからウンチを調べたを参照)。やはり現代人の方が腸内細菌の多様性が失われているという結果になっている。腸内細菌の機能が次々と分かってくる中で、腸内細菌の中身について過去の状態を取り戻そうという動きも活発になるのかもしれない。ネイチャー誌の特集増刊はここで一区切り。引き続き腸内細菌については取り上げていく(Medエッジの腸内細菌のタグの付いた記事一覧はこちら)。

文献情報

Schnorr S.The diverse microbiome of the hunter-gatherer.Nature. 2015;518:S14-5.

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